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見つかっているのはわずか数冊… 太平洋戦争をアメリカから見た 新聞記者の“幻の手記” 祖国に還える


書籍概要
朝日新聞のニューヨーク特派員:中野五郎。
彼が日本に帰るべくニューヨークを離れたまさにその日、事件は起こった。
『日本軍は今朝、パールハーバーを爆撃し、さらにマニラを攻撃中である』

日本からハワイまで、4,000キロ。
まさか、その距離を渡って空襲するとは…

ラジオ放送を聞いた時、中野はまだ半信半疑だった。しかし、ただ1つはっきりしていたことは、日本がアメリカ・イギリスの両国と戦争を始めたという揺るぎない事実。中野は、不思議なくらいに落ち着いていた。同僚と顔を見合わせ、愉快そうに笑う。

「オイ。もう船は俺たちを迎えには来んよ。さあゆっくり敵国に腰を落ち着けよう」

午後4時過ぎ、日本政府は短波放送で全世界に対して対英米宣戦を布告した。
中野は、覚悟を決める。

私の報道の任務はここに終わった。もはや、敵国の中で新聞記者は用がなくなった。
敵国政府の手によって、いつでも逮捕され、どこにでも抑留される運命に置かれたのだ。

あたかも死刑の宣告を受けた囚人のように、
彼の身の上に焼き付けられた『敵国人』の烙印は消すことができなかった。

中野が米国秘密警察FBIの手に捕らえられ、
敵国人収容所に連行されたのは、その翌朝のことだった…

それから、彼が日本に帰ってくるまで9ヶ月。

敵国・アメリカで、太平洋戦争はどう見えていたのか?
彼は、当時見たありのままの“太平洋戦争”の姿を手記に書き残し…
帰国後、1冊の書籍としてまとめ、出版していたのです。

“朝日新聞特派員としてニューヨークに在勤中、大東亜戦争が勃発。
私は米国で捕われの身となってしまった。

その後、ようやく日本に戻れたが、私は敵国から無事に我が家に還る喜びよりも、
むしろ新聞記者としての一生に二度とない最大のニュース運に恵まれたことを嬉しく思う。

今、戦う祖国へ還る感激をこめて、そして、祖国に還る喜びとともに、
敵国の中から見た大東亜戦争の記録を、今、この1巻にまとめる…"

この本、太平洋戦争の実相を知るのに欠かせない貴重な史料でありながら、
どういうわけかほとんど残っておらず、日本の大学で所蔵しているのはわずか4校のみ…
古本市場では高額で取引される「幻の本」となっていました。

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