英国のエドワード3世(在位1327-1377)のグロート(4ペンス)銀貨です。500円硬貨は大きさの比較用ですが、エドワードのグロートはそれ以降の物よりも僅かに大きく厚さもある感じです。グロート銀貨はそれまで300年以上に渡り、中世イギリスの標準流通貨幣だったペニー銀貨に対して、4倍の価値を持つ銀貨としてエドワード3世の時代に初めて登場しました。それは即ちイギリスがそれだけの貨幣を発行する銀の保有量と国力を付けたことを意味します。フランス王家出身の母イザベルの血を理由にフランス王権を主張してイングランドの獅子の紋章にフランスのユリの紋章を加えて用い、フランスに宣戦布告。100年戦争では有名な長弓兵が活躍し、息子のエドワード黒太子(ブラックプリンス)がフランスの領土を蹂躙した、ひときわイングランドの輝ける一時代を築きました。またヨーロッパ全土で黒死病が流行した時代でもあります。その治世は長く50年に及びました。